静岡スタイルは、静岡クレールに新しく変わりました!

防災の教訓

【歓楽街を襲う悪夢】

関東平野を北から南へと流れ、利根川へと合流する一級河川の鬼怒川。
付近には温泉などの歓楽街があり、連日、遠方より多くの人が訪れ街を賑わう。
そんな屈指の観光地を一気に恐怖のどん底に陥れたのが今年の大型台風平成27年台風第18号。
普段の賑やかな街の様子は一変、人々は恐怖の悲鳴を上げました。

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【名前はシビア・トロピカル・ストーム(アジア名アータウ)】

台風の名前はシビア・トロピカル・ストーム(アジア名アータウ)。これにより鬼怒川の一部の堤防は決壊し、溢れんばかりの濁流が街を飲み込んでいきました。
連日ニュースで取り上げられるのが、その被害の爪跡が極めて深かった茨城県常総市です。
街全体がまるで海か湖のように水に沈み、多くの人が家や車を失い多くの犠牲者を出しました。こうしている今も、懸命の捜索やいち早い復興が執り行われています。
この台風がもたらした堤防決壊に関わる水害はおよそ100年に1度と言われるほど稀なものですが、今回の被害や影響は色々な事が偶然重なって起きたものだとご存知でしょうか。

【被害の要因】

①暫定堤防~堤防の高さ不足~

まず決壊した堤防ですが何故常総市の堤防だけが決壊したのでしょうか。それはたまたま偶然起きたものではなく必然的に起きたものなのです。
国(国土交通省)は堤防の高さをその海抜や河川の広さなどにより明瞭に定めており、およそ5メートルとしています。
しかし常総市の堤防はおよそ4メートルほどでいわゆる『暫定堤防』と呼ばれるものでした。この5メートルという基準は100年に1回の大雨が降っても大丈夫なように設けられていますが常総市ではこの基準にクリアしていませんでした。ただし、それを直そうと去年から用地買収をし、改修を始めようとした矢先にこのような被害にあってしまったのです。まさに最悪のタイミングでした。そして驚くべきことに、常総市の堤防の56%は暫定堤防だったようなのです。

②心理的不協和状態

これは人間の深層心理に基づいた要因です。
例えばカラスが黒だと思っても、10人中10人が、100人中100人が白と言ったら自分も多数派に便乗してしてしまうというものなのです。これは協調性を重んじるな日本人に特に克明に見られる傾向ですが、あまり良い状態とは言えません。
今回のことで言うと、○○さんが避難してなかったから、とか隣の家の人がまだいたからとか、取材に応じていた人が話していました。
これは2013年、戦後最大の未曾有の大災害、「東日本大震災」での津波被害者のインタビューと酷似しています。

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【安倍川の場合】

我が静岡県を悠然と流れる大動脈の1級河川の安倍川。今回の台風で安倍川は洪水こそなりませんでしたがその水位はかなり上昇しました。
静岡河川事務所によると最高水位は牛妻で2.34メートル、手越で2.46メートル、手越の上の藁科川では2.68メートルとやはり非常に高く、氾濫注意レベル2にもなりどの水域も水防団の方々が待機していました。レベル5の氾濫危険レベルはそれぞれ牛妻が4.6メートル、安倍川が4.0メートル、藁科川が7.7とこれと比べるとまだまだ大丈夫かと思われますが安倍川は延長(長さ)53.3キロメートル。流域面積が567キロメートルと全国でも有名な大河川の一つとされていますが、本流や支流にひとつもダムがない珍しい川なのであります。そのため安倍川付近に住んでいる方なら明確ですが、雨が降った翌日は水位が異常に増します。これは洪水にも氾濫にもなりやすい大きな要因なのです。

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【東海大地震の津波影響】

また、静岡県民が古くから恐れている東海大地震。この時の津波は場所にかなり高さに変動がありますが、沼津市では30メートルの高さにもなると言われています。
静岡市はせいぜい10メートルほどで久能山を筆頭とする山々に守られ市街地まで海水は来ないようですが、何の障害物もない川は海水があっという間に上がって来てしまいます。いくつか水門は有るみたいですが恐らく津波のパワーには到底打ち勝てないでしょう。何故なら駿河湾は最も深い所で2500メートルもの深さがあり日本で最も深い湾なのです。つまり海水の量が異常に多いということなのです。
そのため、いくら安倍川の横幅や深さがあっても取るに足りない水量が有るのです。百聞は一見にしかず。これは地図を見ると一目瞭然です。

【日頃から防災を、日頃から危機感を】

こういったことを少しでも考えると今回の未曾有の大災害も必ずしも人事には出来ないのでは無いでしょうか。
災害はどんなに文明が発達しても避けられないものです。ただし日頃からこういった防災のことを念頭に置いておくだけで、生存率は格段に違ってくるものです。
幸いにも静岡市には多くの山々があります。仮に安倍川の堤防が決壊しても山に避難すれば難を逃れることは間違いなく出来ます。
お金で買えるものはいつか壊れますが、命だけはいくらお金を積んでも変えまえん。自分の身は自分で守る為にも防災知識は身に付けましょう。
参照
http://www.shizuoka-kasen-navi.jp/html/abe/
http://www.cbr.mlit.go.jp/shizukawa/