静岡スタイルは、静岡クレールに新しく変わりました!

「お茶屋さん」の新しいカタチ 【chagama】

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「静岡と言えば?」
例えば街頭でこんなアンケートをとったとします。その際最も多く返ってくる答えはなんでしょう?というクイズを出されたら、あなたなら何と答えますか?

多くの人がおそらく思い浮かべたのは
「お茶」
ではないでしょうか。
静岡県は全国でも有数のお茶の産地として有名ですよね。広がるお茶畑の風景やお茶の使われた銘菓、蛇口から冷茶の出る「茶道」を備えた小学校など、「お茶王国」静岡に住む私たちにはお茶に少なからず親しみを感じているはず。

そんなお茶を扱う「お茶屋さん」も、私たちの身近にはたくさん存在しています。街を歩いていて見かけるお茶屋さんは一軒や二軒ではありませんよね。

しかし、そんなお茶屋さんにちゃんと訪れたことは一体どれほどあるでしょう。実は数える程しか……という方もいらっしゃるのではありませんか?
現在お茶業界では、若い世代のお茶離れに頭を悩ませているのだそうです。

紅茶やコーヒーなどと比べ、確かに急須で淹れた緑茶、というと常飲しているのはやはり年配の方が多いイメージがありますよね。
そんな「若者のお茶離れ」の風潮を打破すべく、静岡から新しい風を吹かせようという新しいスタイルのお茶屋さんが話題となっています。

今回は、従来のお茶へのイメージを打破する新しく、そしてオシャレなお茶屋さん『chagama』をご紹介します。
お茶王国である静岡に暮らす全ての若者のみなさん、必見です。

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【お茶業界の新たなる一歩を担う気概】

静岡街中にほど近い立地でありながらその喧騒を感じさせない、オシャレなカフェやレストラン、ショップが住宅街にひしめく静岡市葵区鷹匠。まるで迷路のように心弾む細路地を進んだ先にある、19世紀パリを連想させる空気感の漂う「パサージュ鷹匠」は、静岡の代官山と呼ばれる鷹匠エリアの中でも名高いオシャレスポットです。
その一角に存在するchagama。そのシックな店構えは、一見して「お茶屋さん」であるとはわからないかもしれません。

chagamaは、1877年創業の製茶問屋『マルモ森商店』の運営する新たな形の小売店。創業から140年が経つ老舗が作り上げた、新しいスタイルのお茶屋さんです。
「実験的な小売店を出したい」
という社長さんの意向で生み出されたchagamaは、「お茶屋さんらしくないお茶屋」として、全国のお茶屋さんへフィードバックする実験場という意味も含みながら2014年にスタートを切りました。
老舗製茶問屋マルモ森商店が、ひいてはお茶業界が新しいことへチャレンジするという情熱が、chagamaには溢れているのです。

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そんなchagamaの「新しいこと」のひとつが、エスプレッソマシンの利用です。コーヒーのエスプレッソと同じ機械を使い抽出された煎茶は、お茶のイメージを覆す他にはない味わいが。

急須を使って淹れられた煎茶は、日本人であれば飲んだことのない方はおそらくいらっしゃらないでしょう。お茶碗の中に満たされたそれを口に含んだとき、一般的に感じられるのは苦味、渋味、そして甘味と旨味、そのバランスでもって成り立つ煎茶。
良い茶葉を上手に淹れることで、旨味と甘味が膨らみます。

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対してエスプレッソマシンで抽出された煎茶はエスプレッソの名の通り、少量を冷酒に用いられるような細身で小柄なグラスに注がれています。そのガラスに透けるのは、普通の煎茶と同じような柔らかな緑色のお茶。
しかし、口に含めば強烈な旨味が味覚を突き抜けます。緑茶の代名詞のように語られる苦味や渋味は、控え目でありながらも特有の存在感で私たちにお茶らしさを優しく語りかけてきます。昆布で丹念にとった出汁のように豊かな旨味が口いっぱいに広がるこのお茶は、あなたの中にある煎茶のイメージを一変させることでしょう。

人気メニューの「煎茶ラテ」は、煎茶エスプレッソにミルクを加えたもの。緑茶を使ったラテドリンクと言えば様々なカフェで抹茶ラテが提供されていますが、こちらの煎茶ラテはそうしたものとは別の飲み物と捉えたい飲み物です。
抹茶ラテといえば、スイーツめいた甘さが印象に強い方も多いのではないでしょうか。しかし、chagamaの煎茶ラテは甘さは極々控え目。見た目を良い意味で裏切るサラリとした飲み口は、甘い物が苦手という方でも抵抗なく楽しむことができます。
ミルクの甘味が煎茶エスプレッソの鮮烈な旨味に丸みを持たせつつも、苦味や渋味といったお茶らしさは失われていません。キャッチーさとお茶の味わいが両立したドリンクへと昇華されています。

また、ほうじ茶を使用した「ほうじ茶ラテ」も同じく絶品。
煎茶ラテよりも更に甘さが控えられたほうじ茶ラテは、ほうじられた茶葉のもたらす香ばしい香りがミルクの優しい風味と溶け合います。
抹茶ラテや紅茶のティーラテに代表される「お茶のラテ」は数多く存在しますが、どちらかといえば甘味がこってりしたものの多いそれらと比べあっさりとした後味でさっぱりといただくことができます。
まさに「お茶」の持つ魅力をそのまま引き出したドリンクと言えるでしょう。

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【「お茶屋さん」の新しいカタチ】

chagamaはテイクアウトドリンクだけでなく、もちろん茶葉の販売も行っています。
正面向かって左側のテイクアウトコーナーとは逆の空間には、パッケージングされた茶葉や茶器、そして店のシンボルである南部鉄器の茶釜が備えられたカウンターが。

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こちらのカウンターには、常時70種以上の茶葉が用意されており、試飲を行うことができます。スタッフさんが一杯一杯丁寧に淹れてくれるお茶を味わい、お客さんひとりひとりに好みの茶葉を見つけてもらうことが目的です。
「お茶を買おう」
と思ったとき、お茶の種類にそれほど明るくない方だとどうしてもその基準は価格になりがちですよね。「高いお茶を選べばきっと美味しいに違いない」、そう期待して買った茶葉を淹れてみたら味があまり好みではなかった……。
そんな経験をすると、大抵の人はお茶を買うのを控えるようになってしまいがちです。
「それではもったいない」
という気持ちから、chagamaではお客さんに試飲をオススメしています。
chagamaに用意された茶葉をひとつひとつ試していくうちに、きっとあなたのお気に入りのお茶に出会えるはずですよ。

そんなchagamaでは、実は静岡県産以外のお茶も扱っています。これは、店主さんが鹿児島で修行をした際に出会ったお茶に衝撃を受けたためだといいます。
「静岡以外にも、美味しいお茶がある……!」
全国でもお茶の名産地と名高い静岡にいるからこそ、他の地域の美味しい茶葉との出会いは大切にしたいものですね。

また、茶葉そのものの種類だけではなく、ブレンドによってもお茶はその味わいを変化させます。
一般的に、ひとつの品種、産地の茶葉のみを集めた「ノンブレンド」のお茶というのは色や味に表れる個性やクセが強いものです。それをバランスよく混ぜ合わせ、角をとっていったものが普段私たちの目にする「お茶」の商品です。
このブレンドというのはお茶屋さんが培った技術の賜物です。農産物であり自然の生み出す茶葉は、他のお野菜などと同じように、出来の良い年、悪い年というものが存在します。たとえどんなに茶葉が不出来であっても、毎年同じ味になるように混ぜ合わせるのはまさに職人技。お茶屋さんの腕の見せどころなのです。

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chagamaではノンブレンド、ブレンドをともに販売しています。特にノンブレンド茶は、お茶どころ静岡であっても他ではなかなかないほどの品揃え。
とはいえ、これだけ多くの種類が並んでいても、その中に口に合うお茶があるかどうかは飲んでみないとわかりません。
今回お話を伺ったchagamaの森さん曰く、
「購入していただかなくても大丈夫ですので、気になるものがあったらお気軽に試してみてください。日本茶が飲みたいとき、ぜひお越しください。こんなお茶が飲みたいんだけど……という要望にもお応えします!」
とのこと。
お茶王国静岡人としては、お気に入りのお茶というのはぜひ見つけておきたいところですよね。

参考までにchagamaで人気の茶葉を伺ってみました。

「1番人気は、そうですね。これでしょうか」
様々な種類の茶葉が並ぶ棚から森さんが示してくれたのは「梅ヶ島+やぶきた ★★★」(50g/810円)。これは、静岡市葵区梅ヶ島で栽培されたやぶきた種の中でもグレードの高いものをパッケージングしたもの。
静岡市北部の山間部、梅ヶ島は標高およそ800m、「空に1番近い茶畑」と呼ばれています。その気候により、非常に柔らかで旨味の豊かな特徴のあるお茶ですが、大型機械の導入が難しい立地や後継者不足などにより生産量はごくわずか。「幻のお茶」とも呼ばれています。
1煎目、2煎目、3煎目とお湯の温度を上げていくことにより、旨味、苦味、渋味と味の変化を楽しむことができます。

この時期だけ楽しむことのできる新茶「八十八夜」も人気の商品。
毎年八十八夜以降から販売が開始されるというこちらは、「緑」(1080円)、「桜」(1620円)、「金」(2160円)の3つのグレードが用意されています。「新茶」という名の通り、つみたての香りと味が楽しめるのはこの時期だけだといいます。
これは、茶葉の熟成具合によって味が刻一刻と変わっていくため。茶葉の中の水分量が変わっていくのと同時に、味わいも変化していくのです。

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また、chagamaの陳列棚には変わり種の「日本茶フレーバーティ」も並んでいます。
これは、緑茶の茶葉にドライのハーブやフルーツをブレンドしたもの。普段紅茶のフレーバーティを飲まれる方に特にオススメです。
人気のフレーバーは「焙じ茶+イチゴ」(50g/810円)という一見異色の組み合わせ。スタッフさんの何気ない一言から生まれたというこちらは、今ではchagamaを代表するフレーバーティとなっています。

ここまで紹介してきたchagamaの茶葉たちは、みな可愛らしいパッケージを施されて店頭に並んでいます。
chagamaで販売されている茶葉の多くが50g入り。少ないと思われるかもしれませんが、お茶を淹れる際に必要となる茶葉の量は、ひとり当たり大体4gほど。2〜3人分で6gです。
また同じ茶葉で2〜3煎ほどが楽しめるとのことですので、美味しいうちに飲みきれる量としては丁度良いくらいと言えますね。

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そんなお茶を美味しく淹れるための茶器もchagamaでは扱っています。特に注目したいのは、お茶を楽しむためには必要不可欠である「急須」。
「急須といえば常滑焼」
と言われるように、chagamaの棚に陳列されたオリジナル急須はもちろん常滑焼。なぜ常滑の急須で淹れたお茶は美味しくなるのでしょうか。
それは、常滑の土に含まれるミネラルがお茶の苦味成分であるタンニンと結合することによってあくをとり、味をまろやかにするためなのだそう。
chagamaでは、「黒」と「白」という2種類のオリジナル急須を販売しています。急須は消耗品だという考えから、壊れても買い替えられる値段にしたという急須は人気の白が2160円。
真っ白というよりアイボリーに近い色味は使う人に暖かみと可愛らしさを感じさせ、急須の中で広がる茶葉の様子を伺うのにもピッタリです。また、素焼きのため、使い込むうちに手に馴染むように風合いが変わっていくのも魅力的。
ズラリと並んだ茶葉と同じく、こだわりの詰まった急須です。

いかがでしたか?
「お茶屋さん」はあまり馴染みのない場所だと感じていた方にもぜひ一度足を運んでいただきたい「新しいお茶屋さん」の『chagama』。
「お茶へのとっかかりとして来てほしいです」
という森さんの言葉通り、普段あまりお茶に馴染みのない方でもゆったりとお茶に触れ合うことのできる場所です。
新茶も出揃い、お茶に親しむのにもってこいなこの時期、鷹匠のオシャレなお茶屋さんにあなたも遊びに行ってみませんか。

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【店舗詳細】

所在地:静岡市葵区鷹匠2-10-7
TEL:054-260-4775
FAX:054-260-4786
営業時間:10時~19時
営業日:火曜日~日曜日
定休日:月曜日(祝日は営業)
公式HP:http://www.ochanet.com/chagama/