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遠州七不思議。

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静岡県西部。
以前の名を遠州国と言い、それはそれは栄えた町だったと言います。
町は人で溢れ、様々な産業が発展したエリアです。
当時の人の多さは、現在政令指定都市としての認定された静岡県最大の人口を誇る浜松市にも影響しております。

そんな遠州には昔から遠州七不思議と呼ばれる伝説が存在します。
県西部の人はご存知であろうこの伝説を今回ご紹介します。

そもそも遠州七不思議とは遠州地方に伝わる伝説であり、必ずしも7個あるというものではありません。
知られているもので12個存在し、この組み合わせで7個にしたものが七不思議として語り継がれています。

今回はその中でも有名な7個を取り上げます。

【夜泣き石(小夜の中山)】(静岡県掛川市佐夜鹿)

昔々、小夜の中山峠のそばにお石という女性が住んでいました。

お石は身ごもっており、ある日の仕事帰りにこの峠で急な陣痛に見舞われました。
お石は近くを通りかかった男性に介抱されましたが、お石がお金を持っていると知った男は途端に態度を変えお石を切り殺しました。

その時傍にあった石に刀が擦れ、その後その割れ目から子供が生まれました。
その石に、お石の霊のが乗り移り、夜毎に泣いたため人々はその石を夜泣き石と呼んで恐れていました。

子供は近くのお寺に引き取られ、音八と名付けられました。
音八はすくすくと成長し、立派な刀研師となりました。

ある日、店に見知らぬ男性が来て刀を出しました。
音八はその刀を見て、実に立派な刀だと褒めましたが刃毀れしていることに気付き、理由を聞きました。

客は昔、人を切り、その時に刃が石にあったたことを告げました。
音八はこの客が母の敵である事を知り切りつけたと言います。

その一件を聞き同情した弘法大師が石に仏号を刻んだと言います。

【桜ヶ池の大蛇】(御前崎市佐倉)

比叡山に僧侶がいました。
僧侶は仏の教えを調べているうちにどうしても分からないことが出てきました。

その時に僧侶はもう3000年早く生まれれば、インドのお釈迦様に教えを請えたのにと残念に思いました。

しかし、お釈迦様が亡くなってから56億7000万年後に弥勒菩薩という人が現れこの世を救うという言い伝えがありました。

そこで僧侶はこの世界で最も長く生きることの出来る大蛇になり弥勒菩薩の教えを受けようと思いました。

その後弟子たちに大蛇が住むに都合の良さそうな池を流させ、ようやく見つけたのが御前崎市にある桜ヶ池でした。
その後僧侶は大蛇となり桜ヶ池に住み着いたといいます。

それから秋の彼岸になるとその大蛇を供養するために赤飯をいれたおひつを池に沈める『おひつ納め』のお祭りが恒例となっております。

【子生まれ石】(牧之原市西萩間、大興寺)

牧之原の大興寺の北側には小さな川が流れておりその右側の壁面には変わった形の石が突起していました。
その石は日毎に露出面が増え、最後には落ち、川底に沈むと言われていました。

ある日、 大興寺の有名な僧侶が重い病気にかかりました。
明日死んでおかしくない状態だったので多くの人が悲しみにくれました。

そんな時、若い弟子が石が落ちそうなことを僧侶に告げました。
僧侶はその石を弟子にあげようと伝えました。

するとその後この僧侶は途端に快方へと向かいました。

しかし、若い弟子は肌が痩け、やせ細り、顔は青ざめていき、三ヶ月後には亡くなってしまいました。
大興寺の付近にあるこの石は大興寺の住職が死ぬたびに落ちていたので『住職の墓石』と言われました。

【三度栗】(菊川市三沢)

菊川市三沢の弘法堂の西側には立派な栗の木があり、1年に3回花を咲かせ、3回実をつけるようです。

これは昔、全国を周っていた弘法大師が腹をすかせこの地を訪れた時に、美味しそうに栗を食べていた子供達に栗を恵んでもらったことに起源があります。

弘法大師は美味しそうに栗を食べ、子供たちにこの村の栗の木を1年に3回実をつける木に変えようと言い、そのあくる年から1年に3回実る栗の木になったようです。

【京丸牡丹】(浜松市天竜区春野町)

昔、京丸という里の村長の家に若い男が担ぎ込まれていました。

若者は病に侵されやつれていましたが、村長の娘の手厚い看病のおかげで若者は快方へと向かいその後完全に回復しました。
回復した後、若者は村のために畑の収穫などをし精力的に働きました。

しかし、村の掟で他の村の者をいつまでも留めていてはいけないというものがあったため、若者は泣く泣く村を後にしました。
若者に恋心を抱いていた村長の娘は若者の後を追いかけ、村長は2人の幸せを願いました。

その数カ月後、2人はみすぼらしい姿で村へ戻ってきました。
2人がゆっくり住める安住の地などどこにもなかったのです。

村長はまたこの村で2人一緒に暮らして欲しいと思いましたが、それを阻んだのがまたしても村の掟。
1回村の外へ出たものを戻してはならないというものでした。

2人は途方に暮れ、山中を歩きまわり、その夜、里の近くを流れる川の淵に身を投げました。
それ以来二人の魂は美しい牡丹の花となって川淵に咲き乱れていると言われています。

【波小僧】(遠州灘)

昔、遠州灘で長く魚が取れない時期がありました。
そんな時に得体のしれない怪物が網にかかりました。

怪物は漁師にもう一度海に返してくれたらもう悪いことは一切しません。
そして天気が悪くなる前に波を鳴らしてお知らせすると言いました。

漁の最中、悪天候により命を奪われたものが多くいたため、漁師はその願いを受け入れました。

その後、怪物の言ったように天気が悪くなる前には波の知らせがあると今尚遠州灘で言われています。

ちなみに、遠州灘で西から波が聞こえれな晴れ、東から聞こえれば嵐が来ると言われ、波の音で天気がわかるという変わった場所なのです。

【天狗の火】(御前崎市)

昔、文吉という若者が漁師をしている千吉の家に遊びに行きました。
2人が話し込んでいるうちにはれよあれよと時間は過ぎていき表はもう真っ暗になってしまいました。

文吉が帰り支度と整えていると、千吉は今朝取れたばかりの魚をお土産に渡しました。
文吉が魚をこしらえ海岸沿いを歩いていると、はるか向こうの山から青い光が飛んできました。

それを天狗だと思った文吉は急いで小舟に身を潜めました。

するとガタガタと小舟は揺れだしたので、千吉からもらった魚を放り投げました。
しばらくすると揺れは収まり、両目をえぐり取られた魚が砂の上にありました。

以上の七つが遠州地方に伝わる七不思議です。

静岡県民でも初めて聞いたことがあるかもしれません。
自分の知らない土地の風習や文化を知るのは非常に良い経験です。

この遠州七不思議はまだまだいくつかあります。
自分で調べてみるのも面白いかもしれません。