静岡スタイルは、静岡クレールに新しく変わりました!

不思議の国のアンティーク【ケントアンティーク家具静岡】

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「アンティーク」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?綺麗な紋様が刻まれたグラスでしょうか、それとも愛らしい絵付けのされた陶器でしょうか。
もしかすると『開運 なんでも鑑定団』で度々取り上げられるようなドールを想像する方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、多くの方が「アンティーク家具」を思い浮かべたのではありませんか?
ひとつひとつ丁寧に作り込まれたそれらには、現代のシンプルな造形とは異なる趣が溢れています。中には、初めて見る人をびっくりさせるような工夫が凝らされているようなものも……。

今回は、そんな見れば見るほど、知れば知るほど気になってくる「アンティーク家具」を取り扱うショップ『ケントアンティーク 静岡店』の魅力をご紹介します。

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【静岡にある英国、あるいは優雅なる異世界】

ケントアンティーク家具静岡店を運営する株式会社ケントが誕生したのは2002年のこと。
アンティーク家具と言えば当時は高級な鑑賞用のアイテムで、傷やなにか不具合を直してしまってはアンティークの価値が下がってしまうというのが日本での一般的な認識だったそうです。

しかしアンティークとは、古い物を大切に使う風習のある欧米で、何度も修繕をしながら使われ続け、長い間愛されながら人々の手を渡り歩いて現代へとやって来たもの。やはり使われてこそ、その真価を発揮するはずです。

それまでの日本でのアンティーク家具への認識に一石を投じるといった意味合いを込めて、株式会社ケントはアンティーク家具の修復を行う工場『ケントファクトリー』を静岡市にオープンさせました。

しかしなぜ静岡なのでしょうか。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、静岡市というのは家具職人が多く軒を連ねる日本でも有数の家具の産地です。そのため、アンティーク家具を修復するにはうってつけだったというわけです。
また、国際港である清水港も近く、買い付けて来たアンティーク家具をファクトリーへ運ぶにも便利な立地。ケントファクトリー、そしてケントアンティーク家具はなるべくして静岡の地にオープンすることになったのです。

さて、そんなケントアンティーク家具静岡店があるのは流通に便利な東名静岡インター付近の静岡市駿河区中原。SBS通りとも呼ばれる南中央通りを一本裏手に入ったところ。
高く掲げられたイギリス国旗を目印に進んで行くと、海外の倉庫のような四角い大きな建物が見えてきます。もしかしてここはイギリス領なのでは、とすら思えるような、入る前から好奇心がくすぐられる外観です。

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可愛らしく整えられた入口と、シャッター脇にぽっかりと空いた裏口のような出入り口、どちらから入ろうかと少し迷ってしまいますが、「どこからでも入って来てください」とのこと。とはいえ、やはりアンティークの家具や小物が歓迎してくれるガラス貼りの正面入り口から入る方がワクワク感を掻き立てられるはずです。

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入り口扉を開け、英国情緒溢れるディスプレイの間を進むと、そこには大きく開けた売り場が。
所狭しと並べられたアンティークテーブルたちと、洋画に出てくるバーのように演出された一角がまず目に飛び込んできます。まるで別世界に来てしまったような感覚です。

ケントアンティーク静岡 フロアギャラリーはこちらから

今回我々を案内してくださったのはショップマネージャーの藤田さん。
「お子さんはよくあっちこっち遊ばれてますね」という言葉の通り、アンティーク家具の置かれたフロアはさながら迷路。チェストやテーブルの間を縫うようにしてそれぞれの紹介をしてくれました。
元々アンティーク家具が好きでケントで働き始めたという彼女の語り口は、商品への愛に溢れています。

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アンティークというのは言い方を変えれば中古のもの。傷が付いているのではないか、ちゃんと使えないのではないか、と心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、店内にズラリと並ぶ家具たちはどれもツヤツヤとしていておよそ100年もの間使用されてきたとは思えません。

「アンティークと新品の中間、というのが修理のポイントですね」と藤田さんが説明してくれた通り、アンティークらしい「味」は残しつつ、それでいて見た目や機能は作られた当時のように直されているのだそう。もちろん生活に不具合はありません。

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アンティーク家具の魅力というのは、当時ならではのデザイン性だけではありません。ちょっと見ただけではわからないユニークかつ心躍るような機能やギミックも兼ね備えています。

ケントが家具を買い付けているイギリスは日本と同じく土地の限られた島国。家具を設置して使うスペースにそれほど余裕はありません。そんな環境が、大きさを変えられたり、ひとつで何役にもなるような家具を生み出しました。
私たち日本人の生活にも馴染みやすく、それでいて使う楽しさを与えてくれるような遊び心を感じます。

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その代表的なものが、伸長性のあるテーブル。
日本でも、天板がパタリと折れるタイプのものはお馴染みですよね。
しかし、ケントで扱う伸長テーブルの主流は、外へ伸びる部分の天板をスライドさせてスペースを拡げるもの。大きなテーブルである必要のない普段は、拡張部分を収納しておくことができるのです。もちろん丁寧に修理されたテーブルの動きは滑らかで、摩擦音も立ちません。

また、更に面白い動きをするものも。側面にハンドルを取り付けて回すと楕円形の天板の中心、長方形部分を取り外すことができ、左右の半円状になっているパーツが中央に寄って丸いテーブルへと変化するのです。藤田さんによる実演を目の当たりにして、思わず声を上げてしまいました。

「お子さんがいるご家庭だと、悪戯しないようにハンドルをしまっておかないといけないかもしれませんね」とそれこそ悪戯っ子のように笑う藤田さん。確かに、子ども時代にこんなテーブルが家にあったら毎日ハンドルを回してしまいそうなワクワク感です。

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他に並んでいるものたちも、ひとつひとつが当時の暮らしを思わせるような面白さを持つアイテムばかり。
例えば、一部に鏡を用いてあるもの。これは、当時のイギリスは税金などの関係で建物の窓の数を減らさなければいけなかったという歴史の表れなのだそうです。
小さな窓でも充分な明るさを得るために、当時の家具職人たちは試行錯誤の結果、鏡を張ったのだとか。

現代では単なるデザインとして扱われてしまいそうな鏡張りですが、ちゃんとした理由があるのです。これも、アンティーク家具たちが「作品」ではなく、生活の中で使われてきた「道具」だからこそ生まれた魅力ですね。

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さてここで、藤田さんと楽しくフロアを回る中で筆者がどうしてもご紹介したくなってしまった家具があります。「モンクスベンチ」訳すると「修道士の腰掛け」という名の通り、かつて修道士、修道女たちが使っていたというもの。

見た目はいたって普通の、綺麗な装飾が施された木製ベンチですが、注目したいのはその機能性です。
座面の後ろ側、腰掛けたときにちょうど腰が当たる部分に蝶番があり、持ち上げて開くことができるようになっているのです。中は空洞になっていて、収納スペースとして活用することができます。

ここまではまあ、多くの方には予想の範疇でしょう。このベンチには更なるおすすめポイントが隠されています。
一見なんの変哲のない背もたれの部分。それを前へ倒して肘掛けの上にセット。すると、ちょっとしたテーブルへと変化するのです。これは驚きです。……驚きですよね?

言わば「一台三役」のこのベンチ。やはりこの機能にも理由があります。当時、修道士たちが修道院に入る際には「持ち込めるものはひとつだけ」という制限がありました。そのため、様々な用途に使えるものをということで、このモンクスベンチが持ち込まれることが多かったのだそうです。

このベンチの中に、修道士や修道女たちは一体どんなものを仕舞っていたのだろうという想像が膨らむことはもちろんのこと、これひとつでベンチ、テーブル、収納になるという機能性はひとり暮らしのアパートにもぴったりです。
サイズもそれほど大きくないので、自分の部屋にアンティーク家具を置きたいという希望を持つ方にオススメしたいですね。

「こう使わなくちゃいけない、というのがないんですよね」というのが藤田さんの談。
思ってもみないワクワクするような仕掛けを、どうやって使おうかなと考えながら家具を選ぶ時間は楽しいものです。

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ところで、テーブルと一緒に選びたいのが椅子ですよね。こちらケントアンティーク家具静岡店には、椅子も数多く揃っています。
その多くがベントウッドチェアと呼ばれるタイプです。
ベントウッドというのは「曲木」のこと。

木材から削り出すのではなく、蒸気で柔らかくした木材を型枠に入れて成形するというところに特徴があります。元々はオーストリアで生まれた技術ですが、軽く椅子に適した素材を用いて、パーツ毎に分解して出荷することができ、組み立ても容易であるために、世界中へと広がっていきました。

当時の椅子の中ではベストセラーと言えるもので、当然ケントアンティーク家具での取り扱いも多数。テーブルの並ぶフロアの天井から吊り下げられる形で陳列されています。そのフォルムは多くの人が見覚えのあるであろう、カーブを描いた木材が背もたれを作り出しているタイプ。

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こうしたベントウッドチェアは、ケントファクトリーにパーツの在庫も多く、修理の際に欠損がある場合はパーツ自体を取り替えてしまうこともあるのだとか。

どちらかといえば、ベントウッドチェアはどのような部屋の調度にも馴染むオールラウンダータイプ。それでは物足りないという方もいらっしゃるでしょう。そんな方も満足できるような商品も、ケントアンティーク家具には揃っています。

例えば、チャーチチェアと呼ばれるタイプの椅子。「チャーチ」という名の通り、教会で使われていた椅子です。その特徴は、背もたれの後ろ側に聖書を収納するためののポケットがあること。日本でも、結婚式などで教会へ行ったとき目にすることがあるかと思います。
先ほどのモンクスベンチと合わせて、当時の修道士の暮らしに思いを馳せるのも素敵ですね。後ろのポケットに雑誌や読みかけの本を入れておく、というのもオシャレで便利です。

もちろん、憧れのロッキングチェアもあります。
ゆらゆらと前後に揺れるロッキングチェアに座って読書をしたり、編み物をしたり……ひとつ持っていれば無限に夢の広がるアイテムですよね。
どしっとした木材で作られるイメージですが、ベントウッド製の軽いものもありますので女性でも持ち運びが楽ちんです。

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もっとゆったり座ってくつろぎたい、という方にはソファタイプを。主にケントアンティーク家具で扱われているのは、チェスターフィールドと呼ばれる、背もたれとアームが同じ高さで、レザーがボタンで留められた大きなものです。

ソファに張られているレザーは、他アンティーク家具と違って、修繕が難しいものです。かといって簡単に張り替えてしまうと、アンティークの味は目減りしてしまうかもしれません。
そのため、ケントアンティーク家具に並ぶソファのほとんどは当時の皮を磨き上げたもの。
少しレザーが擦り減っているものがあったりと、まるで新品かのように修繕を行う木製の家具たちとは少し違った、イメージの中にあるアンティークそのものといった印象です。
これは、アンティーク好きにはたまらないですね。

もちろん張り替えをしてあるものもありますよ。コーナーの一角に並んだひとつのソファが、張り替えによる楽しさを物語っています。
そのひとり掛けソファの骨組みは、綺麗な空色。もちろんアンティーク家具ですが、使用感はパッと見では全くわかりません。そこに張り替えられたのはキャスキッドソンの白地に花柄が華やかな布地。
どちらかと言えば、英国アンティークのソファはどっしりとしていて、男性的な印象があります。ソファはしっかりとしていて欲しいもの。しかし、女性としてはやはり、可愛らしいものの選択肢も欲しいというのも本音です。

そんな希望に応えることも、ケントファクトリーでは可能なのです。このソファの形はとても素敵だけれど、張られたレザーが好みではない……。そんなときは、ぜひスタッフの方に相談してみてください。きっと思い通りのソファを手に入れることができるはずです。

【現代の魔法使いがいる場所】

デザインは好きだけれど家具自体の大きさが今暮らしている部屋には合わない、大きさはピッタリだけれどデザインがもう少しだけ違った方がいい。一生の付き合いをすることになる家具ですから、細部までこだわりたいですよね。

そんなあなたの要望に応えることのできる仕組みがこちらの店舗には存在します。それこそが、アンティーク家具の修理を行うケントファクトリーです。修理工場が併設されているからこそ、聞いてもらえるワガママ、叶えてもらえる要望の幅広さはきっと想像以上です。

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売り場フロアである1階から、鏡売り場となっている階段を上った先、そこがケントファクトリーです。こちらへは、スタッフさんに声を掛けてから案内してもらいましょう。

階段の先でまず出会うのが、多くの未修理家具たち。おばあちゃんのおうち、しかも屋根裏の物置きのような、少し古びた木材の香りがふわりと漂うそこに並ぶ未修理家具の数は圧巻の一言に尽きます。

だいたい2ヶ月に一度、イギリスから40フィートコンテナで清水港を経由してケントファクトリーへ運ばれて来る未修理家具たち。数にしてみれば、大体200点ほどがいっぺんにやって来るというのですから、この数も納得です。

ここで修理を待つ家具たちは、正直に言えばどうしても古さを感じてしまう、まさに骨董品。1階で売られている商品が、少し前まではここにあったとはなかなか信じられません。

ケントアンティーク家具では、お客さんの要望に限りなく忠実に応える家具をこの膨大な未修理在庫の中から探し出してくれます。積み重なるようにして並べられている家具たちは、ひとつひとつが異なるもの。

例えば当時流行していたアールヌーボーデザインのテーブル。螺旋状に刻まれた装飾が特徴的です。でも、もう少し螺旋のねじねじが小さい方がいいかな……。
そんなときでもきっとしっくり来るものが在庫の中には眠っています。ちょっとした要望でも対応してもらえる、というのは店舗と工場、そして倉庫を兼ねたケントアンティーク家具ならでは。

そうして、未修理在庫の中から気に入ったものを見つけて購入したいという場合。ものにもよりますが、大体3週間ほどで売り場に並んでいるような綺麗な状態へ修繕してくれるのだそうです。その際には塗装の色や、椅子に張られた生地なども好みに合わせてチョイスすることも可能です。

そこまでしても、やはり思い描いた通りのものがない、そんなときは少し時間を空けてまたケントアンティーク家具を訪れてみることをオススメします。

株式会社ケントでは、全国の家具屋やアンティークショップへの卸売も行っており、在庫の回転が速いのです。2か月に一度、大量の家具が届くのですから同じ在庫を抱え続けるわけにもいきません。

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また時間が空けば、違った商品がある。それもケントアンティーク家具の魅力です。
逆に言えば、ちょっと気になる家具があったとしても次に来たときには無くなってしまっている可能性があるということでもあります。ピンと来るものがあった場合は気軽にスタッフさんに声を掛けてみましょう。

2階には主にダイニングテーブルと椅子の在庫、3階にはチェストや小ぶりなテーブルが在庫として保管されています。そしてその傍らでは、多くの職人さんが家具を修繕しています。

そこは普段なかなか見られないような光景が広がっています。黙々と作業をしている職人さんたちは、まっすぐに家具へと向き合い、ひとつひとつに合わせた修理を行っているのです。

有り体に言えば「ボロボロ」に近いような状態のものでも、不自由なく使える、素敵なアンティーク家具へと変貌させる、まるで魔法のようにも思えてしまうほど確かな修繕技術を持った職人さん。
案内してくれる藤田さんが「在庫を見るときにちょっと覗かれる方もいらっしゃいますね」と言いますが、その姿を見て、これから長い間付き合っていく大切な家具をぜひお願いしたいと思う方がいらっしゃるのも納得です。

また、2階と3階を繋ぐ階段にも注目です。そこには、当時使われていた農耕具やゴルフ用品、ビリヤードのキューなど、アンティーク好きの心を惑わすようなマニアックアイテムが。
「ディスプレイ用に買われる方が多いですね」と言われる商品たちですが、確かにこれを飾ってあったら大変なオシャレ空間です
。こだわりのお部屋や、お店を作るのにもってこいですね。

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ディスプレイ用といえば、ケントアンティーク家具に置かれているブックシェルフ(本棚)。その中にきちんと背を並べている洋書たちも、実は商品なのだそう。よくある、表紙だけがついた飾りのものと違い、これらは実際に読むことのできる本物。
洋書好きの方にはたまらない一品ですね。探していた絶版本などももしかすると見つかるかもしれません。
さて、駆け足でご紹介してしまいましたが、こちらのケントアンティーク家具には他にも魅力的な商品が所狭しと置かれています。
どこか迷い込んだアリスのような気分を味わえる、静岡にありながら英国情緒溢れる不思議の国。

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今回案内をしてくださった藤田さんからのメッセージ
「ぜひ一度来て、直接見て、触れてみてください」
という言葉の通り、ぜひ足を運び、体験してほしい場所です。きっと心ときめく家具が見つかるはずですよ。

【ケントアンティーク静岡店詳細】

所在地:〒422-8058 静岡県静岡市駿河区中原636-1
電話番号:054-204-7003
営業時間:9:00-18:00
ケントアンティーク静岡店公式HP:http://kent-uk.com/jp/store/shizuoka/
株式会社ケント公式HP:http://kent-uk.com/