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すぐ近くにあるのによく知らない、小梳神社って?

静岡市街地メインストリートのひとつ、紺屋町、静岡パルコの向かいに神社がひっそりと存在していることは、皆さまご存知のことと思います。しかし、一体どんな神様を祀っているのか、どんなご利益があるのか、そもそもなんという名前なのか……?という方もいらっしゃるのでは。

そこで今回は、静岡市街地随一のパワースポットと名高い、「小梳神社」について調べてみました。

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■そもそも名前は?

恥ずかしながら、筆者は7年半ほど静岡に住んでいるにも関わらず、こちらの神社のお名前を存じ上げませんでした。友人との会話でも、「今どこ?」「えっと、『パルコ前の神社』!」といった感じで事足りてしまうため、なかなか正式なお名前を使う機会がなかったからかもしれません。

こちらの神社、「小梳神社」とおっしゃるそうです。(別名が「少将井社」、「少将さん」と呼ばれてご近所さんたちに親しまれていたとか)

しかし、なかなか見かけない漢字が使われていますね……。「おぐし」と読むそうですよ。もちろんPCでは漢字変換できません。入力の際は、小と梳(髪をとかすの意の『梳(す)く』)を別々に変換する必要があります。

調べてみると、これは全国的にも珍しい社名のようです。

かなり古い神社であるためか、名前の詳しい由来ははっきりとしないようですが、一説ではアイヌ語の『オグシリ』が語源だとか。なぜ静岡でアイヌ語なのか……謎が謎を呼んだような気もしますが、アイヌ語由来の地名等、名前というのは意外と日本全国に広がっているのだそうで、主に関東以北に多いのだそうですが、静岡もギリギリセーフ……なのか?

こちらの神社がかつて鎮座していた土地が川の中州にあったため、その様子を先住民たちが呼んだ言葉だといわれているようです。アイヌ人たち(の先祖?)が静岡近辺にもいたというと、おそらく先史時代のことでしょう。

ちなみに少しアイヌ語についても調べてみました。結果、『オグシリ』という言葉のハッキリとした意味はわかりませんでした。
ですが、似た響きの言葉で
『オクスン(=川の向こうから)』
があり、更に、北海道のアイヌ語由来地名の
『大杵牛(オオキネウシ)』(美瑛町)のアイヌ語読み『オシキナウシ/オケネウシ(=川尻にガマの群生するところ)』
を見てみれば、確かに「川」は関係しそうですね。いつか『オグシリ』も、『ゴールデンカムイ』に出てくるかもしれません。

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■徳川家康公との関係も

そんな小梳神社ですが、文献にその名が記されるようになるのは、713年の『日本総国風土記』の頃。『風土記』は日本最古の地理書という位置づけにある書物で、奈良時代、朝廷が各国へ編纂を命じた——というのは日本史の教科書の最初の方に書かれていたりするようですね。ちなみに日本最古の歌集として有名な『万葉集』は、759年らしいので、ずいぶん昔です。
小梳神社は新しくて綺麗な神社、といった風体で街中に存在していますが、それは戦災などによって建て直しをされているためということです。実際、静岡県内の同じような年代に存在していたとされる建物は軒並み遺跡になっているようです。(片山廃寺跡、竹林寺廃寺跡等)

そんな古い歴史を誇る小梳神社ですが、さて、ここ静岡で一番有名な歴史的人物と言えば誰でしょう。

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そう、徳川幕府初代将軍、徳川家康公です。2015年、現在徳川家康公顕彰400周年ということで盛り上がっていますよね。
そんな家康公もこの神社にはゆかりがあります。それは、まだ家康公が幼名の竹千代を名乗っていた頃。今川氏の人質として駿府にやってきた幼き家康公は、まずこの神社に立ち寄って服装を改め、祈ってから今川義元との会見に臨んだとされています。それ以来、小梳神社の近所に住んだ家康公は武運長久や健康祈願など、厚い崇敬を寄せたそうです。
その後、家康公が天下統一を成し遂げ駿府城にとどまるにあたって、元々の御祭伸である建速須佐之男命(たてはやすさのをのみこと)、奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)に、徳川家代々の守り神であった大己貴命(おほなむちのみこと)と天照大神(あまてらすおおみかみ)を合祀し、駿河の守護神としたといいます。

あのビルの間にしれっとある神社が、駿河の守護神であったとは思いもよりませんね。

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■憩いの場として

街中でありながら神社らしく木々が生い茂り(鎮守の森……ではないか、さすがに)、道行く人たちのちょっとしたオアシスとなっている小梳神社。平日昼間でも人の姿がぽつぽつと見られます。その境内はさして広いとは言えませんが、憩いスポットがいくつも存在しています。

まずひとつ目が、パルコ向いの正面鳥居をくぐって左手の『霊泉 少将の井』と呼ばれる湧き水(井戸水?)を引いたお手水。
別名である『少将井社』はこの井戸から取られたと思われます。日本有数の清流『安倍川』の伏流水を汲み上げているものでしょう。
こんこんと水の流れる手水鉢は、これからの時期にはちょっとそぐわないかもしれませんが、目にも涼やかです。

さらに、涼やかと言えば、手水鉢よりさらに左手奥にある池です。橋が架けられていて、渡った先には『宗像神社』という小さな祠が鎮座しています。
池には立派な錦鯉と愛らしい金魚(錦鯉の子供?)が泳いでおり、これまたほっと一息つくにはピッタリです。なんだかそこはかとなくマイナスイオ……霊気のようなものも漂っているような気すらします。

そして憩いポイントの最後が、鳥居をくぐって右手にある喫煙所。静岡街中では数少ない喫煙スポットだからか、常に数人の人だかりができています。特に深夜、小梳神社に入っていく人影を見かけたら、それは大抵喫煙者です。

また、こちらの神社では月に1〜2度ほど、土日に『手作り市』や『蚤の市』のようなイベントが開催されています。見かけたことがある方もたくさんいらっしゃることでしょう。
また、祭り等の際には、特設ステージが作られることもあるのだとか……。

小梳神社は、市民の憩いのスポットとしてもなくてはならない場所なのですね。

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以上、知ってるようで知らない、『パルコ前の神社』こと『小梳神社』まとめでした。
たまには境内をじっくり訪れてみると、また違った発見があるかもしれませんね。

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