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地産地消、清水の名産『折戸なす』

【ことわざの勉強】

一富士、二鷹、三茄子。年が明けたらふと耳にするこの言葉。
これは初夢で見ると縁起が良いとされるもので、その由来は諸説あり、静岡で最も著名な武将の徳川家康公が考案したとされる説もあります。
単に家康公が好んだもの。

実はこのことわざには続きがあるのを知っているでしょうか。
三茄子の後は四扇 (しせん)五煙草 (ごたばこ)六座頭 (ろくざとう)と続きますがご存知でしょうか。

さて話を戻しますと、富士、鷹、茄子と、この3つのモノですが、
富士は静岡県が世界に誇る富士山。
鷹は家康公が好んでいた鷹狩。
茄子は家康公が好きだから。

茄子だけ前の2つと比べ少し弱いような印象ですが、家康公はそれはそれは茄子が好物で有名だったようです。
ただし、そこらへんにある『ただの茄子』ではなく、清水区の折戸地区で名産の『折戸なす』に関してだけのようです。

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【清水が誇る名産品】

折戸なすとは静岡市は清水区、あの羽衣伝説で有名な三保の松原の近くにある、海に面したのどかな地区です。
静岡県は日照時間が全国でもトップクラスでおり、この折戸地区もまた例外ではありません。
また砂地であることで成長が早いことから促成栽培発祥の地と言われ、そこで生まれたのがこの折戸なすです。

折戸なすの特徴は、まずその可愛らしい見た目。
普通のなすといえば、ただ下に向かって長細いだけですが、折戸なすはまるでビワのような形をしています。
ヘタに鋭い棘が生えていることもまた折戸なす特有のものです。

また、味に関してもふつうのものとは一線を画し、口当たりもみずみずしく、何とも言えない濃厚さがあります。

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【伝承される人の意思】

ただしこんな折戸なすですが、販売され始めたのは僅か数年前。
江戸時代に出来たものですが、その栽培は明治時代に一度終わってしまったようです。
理由は普通のナスに比べ3分の1程度しか食べる部分がないからです。

戦争により食べるものさえままならなかった当時は、見た目や味にこだわることをせず、いかに食べられる量があるかが何より大切だったため、味は一級品でもお腹にたまらない折戸なすは排除されていきました。

しかし、2005年。地元農家が国の研究機関からその種子を譲り受け、一丸となって折戸なすの復活に取り組みました。
ただし簡単には結果が出ず、研究に研究、栽培に栽培を重ね、試行錯誤の日々の中、ようやく丸く、みずみずしい折戸なすが復活したようです。

【現状と今後の展望】

今でこそ、地元のスーパーや究極の信用取引である無人販売で売られていますが、その経緯を知ると、並々ならぬ努力の結晶の品ということが良く分かります。

残念ながらこの折戸なすは地域で生産され、また地域で消費するいわゆる『地産地消』の品の一つです。
もちろん地産地消を否定するつもりは甚だありませんが、清水区を一歩出れば折戸なすの生産の経緯から歴史、はたまたその絶妙な味や名前さえ知らない人は非常に多くいるのが現状です。

現在一部のネットショップしか取り扱っていない商品ですが、もっともっと販路を拡大し、静岡県が誇る名産品になればなと思います。
お茶やみかん、メロンに折戸なすとなっても何ら不自然ではありません。

栽培方法が非常に繊細で、大量に出荷することは困難なことだとは思いますが、ほとんどゼロの状態から折戸なすを完璧に復活させた我が県の誇る農家の方々でしたら不可能なことなど無いと私は思います。
折戸地区の農家、と言うよりもはや職人の方々から目が離せません。

-参考文献-
JAしみず公式HP
http://www.ja-shimizu.org/p_175.html