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静岡県民も知らない地名のルーツ。『富士市』

fujisan

敷地面積が非常に大きく、政令指定都市が2箇所もある静岡県は、四方八方沢山の地域に地名が存在し、県民の多くは自分が住んでいる場所以外の地名は分からないといった人が極めて多いです。

難読なものや、ルーツや由来が変わっていたり、間違って認識していたりと。

さて、そこで県民も知らないような変わったルーツを持つ地名をご紹介します。

今回取り上げるのは、『富士市』です。

《富士市》

日本の最高峰を県名とした富士市。
富士山の麓であるからこの地名となったのは言うまでもありませんが、富士市が富士市を掲げるまでには大変な苦労がありました。

富士市はもともと、「加島村」として歴史を刻んできましたが、加島村はもともと辺り一面田園風景が広がる村でした。
しかし、富士製紙工場の操業や東海道線の開業、身延線の開通とインフラ整備が急速に進められました。

その結果他の地域から仕事を求め多くの人が流れ込みました。
こうした発展により加島村ではさらなる発展を望み町制を施工した命名を内務省に打診しました。

それが加島村から富士町への変更申請です。
その内容としては、富士の裾野に位置し既に開業している富士駅に付随した商業を始めているので「富士」という名前を使いたいとのものでした。

難なくこの申請書は受理されるであろうと村民は安堵していましたが、戻ってきた文書によると富士町に変更することは許されないとのことでした。
それは当時隣接していた富士川町と紛らわしいというもので、町名については再度検討して欲しいとのことでした。

しかし、加島村は既に「富士」の名を使用し商業活動を行っていました。
それに富士駅の開業以来、村内に建設された会社や工場の名前全てに富士という名前が含まれていました。

また、加島村で生産されていた梨は「富士梨」として全国各地に流通していました。

そのため村側では新たな町名にどうしても富士の名前が欠かせなかったのです。
そして粘りに粘ること9年。
ようやく加島村は富士町への改称の許可が降りました。

幾度も許可申請を提出したことが要因だったようです。

初代町長には時田弘太郎が就任したのですがその熱意たっぷりの思いを最後にご紹介し、由来の案内とさせて頂きます。

「多年の宿望でありました富士町。
いよいよ8月1日より施行せらるる事に許可せられまして、加島村は富士町と改称致し町制を布くことになりました。皆様とともに喜びに耐えません。」(原文そのまま)

以上が静岡県の変わったルーツを持つ地名とその由来です。

自分の知らなかった場所かもしれませんが、その由来を知ると中々楽しかったり興味が湧いてくるかもしれません。
どれも静岡県内であるため、ルーツ巡りや観光などにも適しているかもしれません。
是非とも行かれてみてはどうでしょうか。
参考文献

日本地名の会 著
静岡県民も知らない地名の謎