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静岡県民も知らない地名のルーツ。『由比・鬼岩寺・天竜川』

地名9

敷地面積が非常に大きく、政令指定都市が2箇所もある静岡県は、四方八方沢山の地域に地名が存在し、県民の多くは自分が住んでいる場所以外の地名は分からないといった人が極めて多いです。

難読なものや、ルーツや由来が変わっていたり、間違って認識していたりと。

さて、そこで県民も知らないような変わったルーツを持つ地名をご紹介します。

今回取り上げるのは、『由比・鬼岩寺・天竜川』です。

《由比》

静岡方面から国道1号線、あるいは東名高速道を東部方面に行くと、運が良ければ由比の辺りで真っ赤な絨毯をお目にかかることが出来ます。
絨毯を作っているのは由比の桜えびです。

静岡県が誇る名産品の1つであり、駿河湾における桜えびの出荷量は何と不動の100%です。
静岡県の他に、東京や相模灘でも桜えびの生息は確認されていますが、漁の許可を取得していないため、水揚げには至らないようです。

さて、そんな桜えびの町、「由比」の地名の由来ですが、お互いが助け合う「結」が転化してなったと言われています。
漁法の一つに地引き網漁がありますが、それは数人で行えるものではなく、多くの漁師が一致団結してやらなくてはいけない漁でした。
そのため共同作業をする漁師たちは手を取り助け合い結束したと言われています。

そんな由比ですが、以前は「由比宿」や「由比郷」などと呼ばれていました。
古くは「湯居」、「湯井」、「由井」、「油比」とも表記され、漁師たちが賑わいを見せていた町でありました。

《鬼岩寺》

全国的に見て、寺の名前が付けられた町名や自治体などは数多く存在しますが、藤枝市にある「鬼岩寺」もその一つである。

藤枝市の山裾に開かれた寺であり、数々の伝説もあり、今でも地元住民に親しまれているようです。
寺の名前は弘法大師、空海が深く関わっています。

空海が居た時代、ここでは鬼たちが村人たちを苦しめており、空海に鬼退治を依頼しました。
空海は七日間もの間、祈祷を行い見事に鬼を裏山の岩穴に閉じ込めることが出来ました。

それ以来、荒れていた空はたちまち元の輝きを取り戻し、鬼が村人を悩ませることはなくなったようです。

それからこのお寺は「鬼岩寺」と呼ばれるようになり、現在でも寺の裏山には「鬼岩」や「魔魅の岩」と呼ばれる岩穴があり、境内には「鬼かき岩」という、鬼が鋭い爪を土肥だと伝わる傷跡が残された岩があります。

藤枝に行かれた際には是非ともオススメしたい観光スポットの一つとなっております。

《天竜川》

静岡、愛知、長野の三県を流れかつては「あばれ天竜」の異名をもって住民に恐れられていた天竜川ですが、源流は長野県の諏訪湖にあり、名立たる山脈の間を南流して静岡県へと侵入し、最終的には遠州灘に降り注ぎます。

静岡県をおよそ95キロに渡って流れる、県民にとっては親しみのある川です。

さて、そんな天竜川ですが、以前は「麁玉川」や「天中川」と呼ばれていました。
「麁」という字は「粗」と同じ意味を取り、「粗いこと」、又は「雑なこと」を示しています。
過去の歴史を振り返るとその意味が顕著に分かります。

天竜川が「麁玉川」と呼ばれていたのは奈良時代のことで、平安時代には広瀬川、鎌倉時代には天中川と言われ、その後に天竜川と名前を変えたようです。

ただし、天竜川の「天竜」はもともと「てんりゅう」とは読まずに「天流(あめのながれ)」と読まれていました。
天から降り注いだ雨が、諏訪湖の水となり、天竜川の流れとなったことからとされているので何ともロマンチックな由来であり、到底暴れ川の異名を取っていたとは思えないです。

つまり、「天流川」が「天竜川」に転化したと言われるわけです。

一方、天中川というかつての名称に着目すると、「中」というのはヒンドュー教の神様である「ナーガ」に由来するという説もあり、ナーガはインドから中国へと伝わるときに「竜」の字を充てられましたのがきっかけとなります。

以上が静岡県の変わったルーツを持つ地名とその由来です。

自分の知らなかった場所かもしれませんが、その由来を知ると中々楽しかったり興味が湧いてくるかもしれません。
どれも静岡県内であるため、ルーツ巡りや観光などにも適しているかもしれません。
是非とも行かれてみてはどうでしょうか。
参考文献

日本地名の会 著
静岡県民も知らない地名の謎