静岡スタイルは、静岡クレールに新しく変わりました!

世界を巡る、アンティークに出逢う店【SPOOKY】

10

【How about アンティーク?】

日に日に春の足音が近づいてくる今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。

年度末でもあり、何かと忙しくなるこの時期。
春からの新生活に向けて、休日には様々なショップを巡っている方も多くいらっしゃるかと思います。

改めて新生活がスタートするというわけでもない方も、家具や食器の買い換えや買い足しなど、春というのは何かと新しいものに目を向けたくなる季節ですよね。

そんなとき、選択肢として「アンティーク」というワードを視野に入れてみませんか。

とはいえ、なんとなく敷居の高そうな、自分とは遠いところにあるような気分がしてしまう響きを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

アンティークとは、直訳で古美術品や骨董品という意味。
そう書かれると確かに少し取っ付きにくいイメージです。

なかなか直接手に取る機会の少ないアンティークの雑貨やアクセサリー。
しかし一度触れてみれば、量販店に並ぶものとは一味違う魅力がわかります。

そこで今回は、興味のある方はもちろん、アンティークに馴染みのない方にもぜひ一度足を運んでいただきたいショップ「ANTIK&DESIGN SPOOKY」をご紹介します。

spoo-6
【アンティークは物語】

静岡市の街中から車で約10分ほど、静清バイパス平和インター近くの閑静な住宅街にSPOOKYは存在します。
隠れ家のような、という形容がしっくり来る、そんなお店です。

古い民家を改装したという店舗は、優しい木の香りがふわりと漂っています。

「さしてこだわったわけではないのですが」
と店主の風岡さんは微笑みますが、まるでヨーロッパの森や湖のほとりにあるようなほっこりとした空間です。

木製の扉を開けて、店内に一歩足を踏み入れるとそこには数々のアンティーク雑貨が並んでいます。

2

丁寧にディスプレイされた商品たちは、風岡さんが自らヨーロッパに出向き、買い付けてきたもの。
ひとつひとつが存在感を放っており、ついつい近づいてまじまじと眺めたくなってしまいます。

年に3回ほど、イギリスを始めとしたヨーロッパの各地へ足を運ぶという風岡さん。

アンティークに興味を持ったきっかけを伺うと、かつて横田の米軍基地で働いていた経験が大きいのだそう。
当時感じた、「知らないもの」である異文化への魅力が情熱の源です。

「アンティークって物語なんです」
というのは風岡さんの言葉。
ヨーロッパに根強く浸透している「古いものを大切にする」というライフスタイルにより、現地ではアンティークを生活に取り入れるのは一般的な習慣です。

そのため、SPOOKYに並ぶ商品たちはもちろんアンティーク雑貨というのは多くの人の手を渡り歩いて来ています。
その流れがわかりやすいものとしては、明治期の日本で作られたティーセット。

spop-1

カップ&ソーサー紹介

薩摩の土で焼き上げられ、京都で絵をつけられたそれは、ヨーロッパへと輸出されていきました。
そこで人気となり、世界史にも登場する「日本趣味」というブームを巻き起こします。

その頃の陶器が、現在アンティークとして日本へ戻り、そしてSPOOKYの店頭に並んでいるのです。
なにやらロマンを感じるお話ではありませんか。

現在日本で主流となっている、大量生産大量消費のライフスタイル。
確かに「豊かな生活」かもしれません。
しかし、一度視点を変えてみませんか。

例えばアンティークグラスを手に取ってみて、「これは以前はどんな人が使っていたのだろうか」と想像するー。
その想像力というのは心が豊かだからこそのものでは、と風岡さんは話します。

古いものを大切に使う、というのも豊かな生活を送るための選択肢のひとつだと思えてきます。
そして、現在私たちが使っているものも、そのうち誰かがまた大切に使ってくれるかもしれない、と新たな物語を想像するのは、きっと楽しい時間ですよね。

まるで語りかけてくるようなアンティークたちの魅力、それは「イメージするのが醍醐味」という風岡さんの言葉通りです。

6
【触れ合うのは、時の流れ】

SPOOKYには、実店舗のみでなくインターネットショップも存在します。
インターネットを通じて注文が入ることもしばしば。
しかし、ネット上の写真で見るのと実物を見るのでは伝わる魅力が全く違います。

「ぜひ一度直接手に取ってじっくり見てほしい」というのは風岡さんではなく、筆者の言葉。

というのも、静岡に店舗を構えるSPOOKYですが、訪れるのは遠方の方が多いのだそうです。
遠くでは福岡からもお客さんがいらっしゃるのだとか。

地元のお客さんが少ない、というのは「地域性なのかもしれない」と風岡さんは語ります。
日本国内でアンティークの盛んな地としては、神戸や京都が挙げられます。
やはり、文化遺産のあるような土地にアンティークはよく似合うのだそうです。

「アンティーク趣味ってあまり一般的ではないですから」と話す風岡さんの横顔は少し寂しそうに見えました。

確かに、テレビなどのメディアで興味を持ったとしても、実際のアンティークにじっくり触れ合い、その魅力を知るという機会は少ないです。
敷居が高いのではないか、という印象は否定できません。

しかし、一度でもアンティークに触れ合ってみると、そのイメージは一変します。
長く使われてきたということは、長く愛されてきたということ。
100年以上もの間大切にされてきたアンティーク雑貨たちには、量販店に並ぶ、規格化された無機質なものたちとは一線を画す魅力があります。

それは、当時のデザインや素材が特別優れているということではありません。
確かに、現在ではなかなか見ないようなデザインは心躍ります。

spoo-2

取り扱いブランド一覧はこちらから

しかし、アンティークだけにしかない魅力は先ほどから述べているように、「時の流れ」と「人の心」を感じることができるという点です。
それらは、やはり画面越し、印刷された紙面越しでは伝わりません。

とはいえ、やはりなかなか手を伸ばしにくいアンティーク雑貨。
風岡さんに、初心者でも生活に取り入れやすい方法を聞いてみました。

「まずは、身に付けるものからというのがいいと思います。古着とか、それほど抵抗なく取り入れやすいですよね」
確かに、アンティークと言われると少し身構えてしまいますが、古着なら既に着用しているという方も多いのではないでしょうか。

ヴィンテージジーンズなどを愛好するというのもよく聞く話です。

また、身に付けるといえばアクセサリーなども思い浮かびます。
しかし、アンティークのアクセサリーなんてとても手の届くお値段ではないような印象があります。

SPOOKYのショーケースに並ぶアクセサリーの多くはコスチュームジュエリーと呼ばれるもの。
ジュエリーというと、貴金属や宝石を素材としているものが主です。

しかし、コスチュームジュエリーはそれらの素材の価値が高いアクセサリーとは異なっています。
しかし、ガラスの偽物と思うのは少し早計です。

コスチュームジュエリーの始まりは、1920年代のアメリカやイギリスで、参政権を得るなど、女性の暮らしが一変し始めた時代まで遡ります。
コルセットの締め付けから逃れた女性たちは、それまでよりも自由にファッションを楽しむようになります。

そのときに生まれたのが、女性が自分のお金で買うことができて、それでいて可愛らしく、ファッションに応じて付け替えのできるコスチュームジュエリー。
生みの親と言われるのはあのココ・シャネルです。

石や金属の価値ではなく、デザイン性とその可愛らしさでもって現在まで愛され続けているコスチュームジュエリーは、SPOOKYでも人気の商品。

当時のシャネルやディオールのものは、指名で買い付け依頼が来るほどです。

また、SPOOKYで最近多いというのがNHKドラマ『ダウントン・アビー』シリーズを観て、という問い合わせだそうです。
確かにドラマの中で登場人物のイギリス貴族たちが使うアイテムはどれも優雅さと可愛らしさの両立したものばかり。

7

イギリス貴族らしいティーセット(カップ&ソーサー)だけではなく、SPOOKYでは当時使われていたという旅行用のトランクも扱っています。
これがまた、実物を見てみると「あ、ベルボーイが運んでいたやつだ!」とドラマの中のワンシーンが思い浮かびます。

セレクトショップなどのショウウインドウ内ディスプレイ用の小物としても注文の入る品で、デザイン性も優れています。

かつてイギリスの貴族たちが使っていたアイテムが、現在日本の私たちの手元にあるというのはなんとも不思議です。一体どういう「物語」を辿って来たのか、想像が膨らみます。

さて、ここで正直心配になるのがお値段ではないでしょうか。
アンティークと聞いただけでちょっとたじろいでしまいそうなのに、更には貴族と同じもの。お高いのではありませんか、と出しかけた手を引っ込めそうになりますね。

筆者も恐る恐る風岡さんに尋ねてみたのですが……、出せないほどではない。
むしろそれまでにイメージを散々膨らませて楽しんだ分を差し引くと、「このお値段なら安い」と思えるような良心的な価格設定でした。

例えば、1880年頃に作られたというミントンのカップ&ソーサー。
少しくすんだようなピンクに金の縁取り、少し小ぶりなころっとしたフォルムが可愛らしいお品です。

「これはちょっと直してあるからなあ……」と風岡さんは、素人目にはほとんどわからないような微小な傷跡を指で確かめながら、「本当なら六千円」だと教えてくださいました。

あれ、意外と安いな、と思ってしまいますね。

そんな、アンティークへの愛溢れる店主風岡さんと共に、「時の流れ」と「物語」に触れるアンティークショップ「ANTIK&DESIGN SPOOKY」。
静岡の住宅街の中にあって異なる時間を旅するような場所です。

新しいものに囲まれる春ですが、その中に、変わらない魅力をたたえ続けるアンティークを取り入れてみてはいかがでしょうか。
もたらされるイメージは、きっとこれからの生活を豊かにしてくれるはずです。

5

【ANTIK&DESIGN SPOOKY詳細】

電話番号:054-221-1055
所在地:〒4200876 静岡県静岡市葵区平和2丁目11-10

Twitter [ANTIKSPOOKY]
営業時間:月曜日~土曜日 11:00~19:00
その他、不定休
ご来店の際は電話、メールでの営業確認をお願い
いたします。